14世紀から15世紀のフランスは、イギリスとの百年戦争や国内での王位継承やパリ支配をめぐる抗争が絶えないことで、美術の周辺の状況は、停滞を余儀なくされていたそうです。政情は不安定で、そんな状況に辟易した画家や職人が仕事を求めてフランスを離れるということも少なくなかったそうです。

そんな中、芸術を保護して多くの写本装飾のコレクションを残したペリー公ジャンが支援した詩篇集や時祷書はとても有名です。ランブール兄弟など優れた画家によるミニアチュールには重要な作品がたくさん残されています。

絵画では15世紀のフランスを代表する画家としてジャン・フーケがいます。彼はルイ11世の宮廷画家でもありました。

フーケは、フランス中部のロワール地方、トゥールに生まれ、パリやイタリアで絵画や書本挿絵を学び、画家、写本装飾家として活動しました。