絵画や彫刻などの美術作品は、その時代時代において社会的な階級のなかで裕福な層の人びとの手に渡り、管理・保管されてきた歴史的な流れがあるようです。芸術的な活動を行う作家たちを支える存在を「パトロン」に関する歴史的事実を遡ってみますと紀元前5世紀までに遡ることができるようなのです。皆さんもご存じであるとは思われますが「パルテノン神殿」を建設したパトロンは、古代ギリシャ時代の市民たちであったと言われております。その後、古代ギリシャがローマ帝国に飲み込まれますと、共和政から帝政に政権が変化を遂げるとともに、ローマ帝国が残した凱旋門などの芸術品の数々のパトロンは市民から皇帝へと移り変わったとされております。歴史を遡るなかで世界的にも著名な美術作品の制作段階における「パトロン」の存在を探ってみることは、その当時の社会のあり方や風潮を探る意味でも面白味のある時代背景を導き出してくれるかもしれません。歴史を追うなかでのその時代、時代のパトロンたちの存在が、作家たちの生活を支えることから生み出される芸術作品の数々は、パトロンたちの存在とともに、その支援無には存在し得ることができなかったとも言えるでしょう。皆さんが現代において見知っている芸術作品のパトロン探しをしてみましょう。今まで見えていなかった歴史のなかでの人びとの生き様が垣間見られるかもしれません。