フィレンツェではチマブーエやその弟子ジョット、シエナではドウッチョ、シモーネ・マルティーニなどなど、祭壇画の制作を請け負ったとのことです。

教会だけでなく、国王や教皇、貴族のために優れた作品が多く残されています。それらを縁取る木枠は初期の額縁の形を示しているそうです。

ゴシック後期に現代の額縁の原型が誕生したという専門家もいます。12世紀の中頃、イタリアを中心にキリストの磔刑図が描かれた十字の形をしたものが、祭壇の上部に吊るされるようになったそうです。

それらの周囲には額縁状の縁取りがしてあり、描かれた絵画を引き立てています。礼拝に訪れる人びとの目を惹くための装飾と思われます。

イタリア、サルザーナの大聖堂には、画家グリエルモ、1138年に作られたという、現存する最も古い十字架板絵が残されているそうです。