額装を施されて、絵画は外の世界と結びついているという人もいます。額装とは、枠を取ること、縁を取ることであり、描かれた絵を強調して、周辺との差別化をするためのもっとも簡単な方法だという人もいます。もちろん、額装することで絵画を保護できますし、さらには装飾することもできます。絵画自体をより美しく個性的に主張するということもできます。ボンベイの近郊都市エルコラーノで発掘された壁画の周囲に、木によって枠取りが施されたものがあるそうです。あの火山灰に生まれていたその木枠は、炭のように真っ黒だそうですが、それはギリシャ神話のフレスコ画を縁取っていたそうです。壁画を移動するときに使われた木枠という話もありますが、その木枠は機能としても意匠としても、絵を装飾していて、今でいう額縁であるといえるそうです。