山水画とは、自然そのものの「山」や「川」などの姿を風景画として描かれているものでありますが、必ずしもこの世に存在する風景ではなく、想像の世界での景色が描かれていることなどもあるそうです。「山水画」と「水墨画」を混合してイメージされていらっしゃる方もおられるようですが、「水墨画」は「山水画」の技法として知られ、「水墨画」として描かれるものは「山水」だけではなく様々な題材が描かれているようです。歴史上では、中国の唐時代の後半から水墨画が世に現れはじめているようですが、墨を使うことにより墨の特色でもあるかすれ・にじみ・ぼかしなどを駆使して描かれる東洋独自の絵画であります。日本国内では、山水画を掛け軸として床の間に飾ることが一般的なイメージがありますが、最近では山水画、水墨、書など墨を使用した東洋アートを額縁に入れ現代アートのような感覚でスタイリッシュにリビングの壁などに飾られる方もいらっしゃるようです。日本において山水画が盛んにみられるようになるのは、鎌倉時代以降の室町時代であるようですが、当時は山水画の影響を受け、石や砂などで風景を描く日本庭園の1つである「石庭」も多く作られていたようです。山水画、水墨画、石庭は、現代においてもまるで現代アートのように新鮮で斬新にも色褪せることなく現代を生きる私たちを魅了してくれています。