当時生み出されたグラフィックアートのなかに「文様」と呼ばれるものがありますが、平安時代、人々の置かれた地位などによって、それぞれの「文様」が作られるようになったそうです。「文様」は、人々のステータスなどを表すとともに、人々の遊び心なども取り入れられ現代アートやイラストのように、幾何学的な模様やパーツを組み合わせたようなものも多く見受けられます。まさに現代の装飾やデコレーションとして、日常的に使用されている包装紙やラッピングなどにも、文様の要素がベースとなってアート作品として生まれ変わっているようなものをみかけることがあります。ご自宅やパブリック空間に額縁入れられて壁に飾られているイラストやグラフィックアートなどをじっくり観察してみると、日本の古典的な「唐草模様」「襷文(たすきもん)」「菱文(ひしもん)」などといった、古来から日本人が親しんできたような文様がベースとなっていることが、容易にイメージできる作品にも数多く出会います。