重要度が同じ程度の複数の写真を紙面に配置する際、被写体の大きさや配置位置で読み手に与える印象が変わるため、注意する必要があります。まず重要なのは、被写体の大きさを揃えること。大きさが不揃いだと、読み手はそこに何らかの意図がると感じてしまい、本来伝えたい情報とは別の印象を与えかねません。被写体の大きさが異なる場合にはトリミングをし、それぞれの写真の余白が同じくらいになるように調整しましょう。被写体の大きさや位置が揃うことで視線移動が一定となり、視認性も高まります。反対に、重要度の異なる複数枚の写真を扱う場合には、大きさに明確な差をつけて、読み手が情報の違いを瞬時に認識できるような、メリハリのあるデザインを目指しましょう。 
 また、配置したい写真に「向き」がある場合には、どの向きで配置するかによって紙面の印象が変わるため意識する必要があります。例えば、2人の人物の対談ページをレイアウトする際には、お互いの向きを合わせると向き合って会話しているような印象となり、会話をしているように見せることができます。一方、お互いが外を向くようにレイアウトをすると、2人の関係性は弱まり、仲が悪そうに見えたりもするので気を付けましょう。 
 さらに、複数の写真を同じ大きさで配置することによって、写真どうしの関係性が強調されるため、時間の流れや対比を表現することもできます。1人の女性の写真を左から4枚並べてみましょう。まずは平時の女性の写真、そしてその隣に少しお腹の膨らんだ女性の写真、さらにその隣に臨月の写真、その隣に再びお腹がぺたんこになった女性の写真を並べます。これだけで時間経過を表現することが可能となるのです。