晩期のルネサンス美術を「マニエリスム」などと呼んでいるそうです。「マニエリスム」とは、「マンネリズム」を言い表しているようなのです。「マンネリ」とはどちらかと言いますと悪い意味で使われることが多いとお考えの方が少なくないと思われるのですが、ルネサンス後期を表す「マニエリスム」が意味するものとはいったいどんな事柄なのでしょう。ルネサンス期のピークなどとも言われているレオナルドやミケランジェロ、ラファエロたちが成した功績や技法を真似ただけの作品であるというような意味を込めての総称であったようなのです。ところが後世に至ってからの研究者たちの声から、後期ルネサンス作品の独特な手法や挑戦的な試みに賞賛の意を込めて「マニエリスム」というような呼び名がなされるとともにそれらの作品は高い評価を得るようになったようなのです。